
震災後の不安から子どもたちを守るために
東日本大震災。そして福島第一原発事故。私たち福島県民にとって、子どもたちの生命と未来に対する不安はどこまでも大きくなっていきました。現在も放射線の影響を最小限にくいとめようと、多くの方々が努力・尽力してくださっています。その事実にまず感謝したいと思います。
そのうえで、私たち桜の聖母学院幼稚園は、子どもたちをどう守り、どう育んでいくべきか必死に考えました。甚大な被害を受けた園の建て直し。その際に最も重要視したのは「安心」であり「安全」。そして「子どもたちが心と身体をのびのびと育めること」でした。
どんなことがあっても、子どもたちには安心・安全な環境が必要です。そこで様々なものに触れ、感じ、考え、愛し、慈しんでいくこと。その機会が失われてはならないのです。
そこで私たちは園の再建に際し「室内園庭」を作ることにしました。
飛散する不安の種から子どもたちを守るために、空調も完備。走り回ったり、鉄棒したり。ボール遊びだってできるよう広々と作りました。福島の暑い夏も寒い冬も元気に遊ぶことが出来ます。
こうして生まれたのが「なかよし広場」です。





木のやさしさあふれる園舎
もう一つお伝えしたいことがあります。それは園舎の肌触りについて。園舎の肌触りって、ちょっとヘンな言い回しですよね。でも、ぜひ園で体験してほしいもののひとつがコレなのです。
玄関から入ってすぐに「木の風情」が皆さんを包みます。
桜の聖母学院幼稚園の園舎は、天然の木材をふんだんに使用した木のぬくもりあふれる園舎なのです。
子どもたちが触れる場所はもちろん、子どもたちが遊び、眼差しを送る高さのいたるところに木目があり、木のぬくもりがあります。寒い福島の冬でも、最初にヒヤッとして、その後にはしっとりとしたぬくもりが宿ります。木肌にふれることが、子どもたちの心や情緒の健やかな成長にとって大きなプラスとなるはずです。





マリアさまに見守られる園庭
もちろん、屋外園庭でものびのびと過ごすことができます。走り回ることももちろんですが、桜の聖母学院幼稚園のお庭といったら「マリアさま」。玄関の前には、マリア像や、マリアさまの奇跡が人々を癒やしたという故事に由来する「ルルド」が設けられています。
ここで子どもたちを見守るマリアさまには、いつの間にかお花がお捧げしてあったり、葉っぱがお捧げしてあったり。
子どもたちの「マリアさまへ」というあたたかい心から置かれた品々を見ると、私たちの胸にもうれしさと喜びが広がってきます。


